プレゼンテーション技術向上について(4)。
前回は、お客様に解りやすく説明が出来るよう、順序だてた縦の論旨が
必要だとお話を致しました。

会議の席でする複数人向けのプレゼンテーションと違い、営業の現場では、
その都度、お客様の状況に合わせたオーダーメードのプレゼンテーションが
必要になります。

お客様の状況というのは、時間的な制約がある場合だけでなく、既に予備知識
のあるお客様もいれば、知識がほとんど無いお客様もいます。それに応じて
導入部分や結論部分など、説明に時間をかける部分も変わってきます。

縦の論旨を組み立てるということは、必ず伝えたいポイントをはずすことなく、
お客様の状況に合わせて、どの部分からでも、細かな説明や、かいつまんだ
説明が出来るようにあらゆる準備をしておくということになります。

ただ、説明している内容が、お客様の疑問や考えていることとずれている
場合もあります。その場合に、横の論旨の考えが必要となります。

前回の「住みやすさ」を例にとると、家の価格への関心が高いお客様に、
シックハウス症候群などの対策で付加価値を高めたことを、理路整然と
見事に説明しても、あまり効果は上がらないのではないでしょうか?

このような極端な例は別としても、「住みやすさ」の価値観は、
お客様によって少しずつ違い、その優先順位も違うはずです。

価格最優先のお客様でも、安ければ何でもよいということはなく、
優先する価値観に対して価格はどうかと考えるはずで、その価値観
すなわち関心ごとに対応できる話の幅(横の論旨)が必要となってきます。

「住みやすさ」という結論は同じでも、そこに到達するための論旨は
一本ではなく、さまざまな切り口、視点で横の論旨を準備しておく必要が
あるということです。

次回も、具体例を交えて、横の論旨についてコメントいたします。
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