プレゼンテーション技術向上のために(3)。
前回までは、営業マンの効果的な営業活動のために、その準備や活動にいかに
集中させるかの必要性と体制作りについてコメントしてきました。

今回からは、効果的な提案営業に必要となるプレゼンテーション技術の具体的
な向上策についてお話を進めていきます。

当初、プレゼンテーションの3要素の『信頼関係』『内容』『ツール』の中で、
最も大切なのは、『内容』とお話いたしました。

内容とは、営業マンが顧客に対して、商品やサービスのについて
どのような説明をするかということです。

人は商品を買ったりサービスを利用したりする時に、その商品やサービスに
関する情報を収集して、理解して、納得するという手順を踏みます。

パンフレットに載っている価格や規格の説明だけで、納得していただけるので
あれば、営業マンの介在する意味はありません。情報収集が本当に簡単に
なった今では、なおさらです。

客のどのようなニーズに合致するのか、どのような問題を解決できるのか、
その効果は、得られるメリットは、さらには気づいていなかった問題点を
指摘し解決するまで含めた、あらゆる切り口から話を展開し、提案できる
用意が必要になります。

そのためには、その商品やサービスは言うに及ばず、周辺の情報まで収集して
顧客に説明する内容を吟味し、論旨を組み立てることになります。

この作業をすることで、その商品やサービスの最大の強みは何か、どのような
裏づけが必要か、興味を示しそうな顧客ターゲットは、競合品との違いは?など、
あらたに気づくことや矛盾点を発見するなどの効果もあります。

充分なデータやアイディアを集めた後は、まず順序だてた話の展開に必要な
縦の論旨をしっかりさせます。これが、しっかりしていないと客の質問などに
よって、順序がおかしくなったり、省いてしまったりで、
客の納得を得られなくなります。

「この家は住みやすいですよ」と言っても、当然、お客様は納得しません。
そこには、何故そう言えるのか、因果関係の説明が無いからです。

 例えば、住宅の営業現場での会話として
   お客:「何故、この家は住みやすいのか?」
   営業:「この対策をしているからです。」
   お客:「その対策は本当に必要なのか?」
   営業:「このような問題があります。」
   お客:「その問題はどうのように発生したのか?」
   営業:「このような背景が原因です。」
   お客:「その背景は本当か?」
   営業:「このようなデータがあります。」 

上記は、客の疑問に対応した場合ですが、熱心でない客の場合はここまで
質問してくるでしょうか?縦の論旨をしっかりして、最初から、次のように
話をすれば、話に説得力が生まれ、次の話につながっていきます。

 「このような背景(データ共)で、こんな問題があります。
  それを解決するためにこのような対策を施した住宅のため、
  住みやすさには充分、配慮いたしております。」

結果には原因があり、裏づけも必要です。客の状況に合わせて、説明の長さを
調節する必要はありますが、求められれば、納得してもらえる細かさで、
説明できる体制を作っておく必要があります。
そのために充分な準備が、必要だと考えています。

縦に対して、次回は横の論旨についてコメントいたします。
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