前回は、「選択と集中」の話でしたが、今回は引き続き、 プレゼンテーション技術についてです。 以前の「説明するということ」で述べたことを整理しますと、 プレゼンテーションで大切なのは、下記の3要素となります。 (1)伝達効率を向上させるための『ツール』 (2)プレゼンをする人間と相手との『信頼関係』 (3)相手に提案する『内容』の魅力と価値 教科書的にはこの3要素は並列的に捉えられていますが、営業の現場においては、 (2)の『信頼関係』を築くために、(3)の『内容』に時間をかけて練り上げて、 (1)の『ツール』で補強する形になります。そのため個人レベルではなく、 組織的にこの『内容』の充実を図ることが必要と考えます。 どこの会社でも成績を上げるために、訪問件数や訪問頻度を上げるように その行動目標だけの指示を出すケースが多いようです。 営業マンの売りたい一心での訪問行動だけでは、以前のような目に見える 成果を得にくいのが現状ではないでしょうか? 女子フィギアの荒川静香選手も、メダルを取りたい一心で、得点の高いジャンプ 主体の演技内容であれば、今回の金メダルは無かったかもしれません。 観客のイナバウアーを見たいという声(ニーズ)に応えて、あえて得点に つながらないイナバウアーの封印を解き、自分の魅力を最大限に伝えるための 演技内容に練り直したことが、大きな成果につながったのだと聞きました。 ニーズが多様化し、多種多様な商品やサービスが存在して競合が 激しくなった今、営業のワンシーンにおいても、いかに顧客のニーズを 捉えた的確なプレゼンテーションを行えるかは、競合他社との差別化のために 組織的に取り組むべき課題だと思います。 次回は、営業力強化のためのプレゼンテーション技術の向上に、 如何に取り組むかについてコメントします。