前回は、資料の視覚効果を上げることについてでした。
今回は、「話す技術」についてお話し致します。
私自身、話す事があまり得意でなかった自身の体験をまじえて「話す心構え」
としてお聞きいただければと思います。

私は、前職時代に会社の許可をいただき、中小企業診断士の資格取得の専門校で、
時々、臨時講師をお引き受けさせていただいておりました。

当時は、人前で話す良い経験にもなるため、あれを話そう、これも話そうと、
テキストと資料片手に、ネタ帳のようなものを別に作成をして講義に臨みました。

初めてのこともあり、相当に緊張を致しましたが、予行練習の甲斐もあって自分の
予想を超えるスムーズさで講義を進めることができました。

先輩講師からのアドバイスで何度も予行練習するなど、充分な準備をしたからだと
思います。とにかく緊張をしやすいので、話す内容と順番を綿密に計画して、
最終的にはネタ帳とテキストを合体させた講義の台本のようなものを作りました。

講義の回数を重ねるごとに、それなりに余裕も生まれてきたある日の講義のことです。

いつもの通り、教室で講義を始める準備をしようと台本を出そうとすると・・・
なんと、カバンの中にあるはずの台本が無いのです。
朝、電車の中で目を通した後に、吊り棚に置き忘れていたのでした。
命より大事な台本を!!

講義開始5分前のことですから、顔面蒼白です。目の前には、簡単な書き込みを
してあるぐらいのテキストしかありません。余裕ができたと言っても、2ヶ月に1度
ぐらいの講義では全て記憶している訳もなく、まさしく、ここはどこ?私は誰?
状態です。

開き直るしかありませんでした。頭に残っている記憶を総動員して、必死で2時間半
の講義を何とか終えました。講義終了後には、専門校の決まりでいつも通り講義内容
に対してのアンケートを受講生から用紙を提出していただきます。

集計の結果は、意外にも今までよりも断然よいアンケート結果だったのです。

これは、ネタ帳や台本から、あれもこれも知識を詰め込むように話をするより、
絞り込んだ(私の場合は、絞り込むしかなかった)情報を丁寧に説明するほうが、
受講生には、深く理解できたということだと思います。

充分に吟味した内容を話す時も、情報をそぎ落として話すテーマを絞る「選択と集中」
の考えは、「見せる技術」同様に「話す技術」にも通じます。

伝達効率の大切さを、私自身が実感した体験でした。
稚拙な経験談ですが、参考になれば幸いです。
次回も、この体験談を補完するお話をいたします。
おすすめの記事